生んでくれてありがとう

ゆき(ごんた)

2010年09月30日 20:54

「誕生日は普通、家族や友人に『おめでとう』って言ってもらいますよね。
でも、本当は生んでくれたひとに『ありがとう』って言う日なんですよ」

ある講座では参加者にスピーチをしてもらっています。
9月のある日、その日のスピーチ当番の人がみんなにそう語りかけました。

そのひとは、
自分にはすでに「ありがとう」と言える母はいないけれども、
誕生日を迎えるひとは、ぜひ自分の親に「生んでくれてありがとう」って
言ってください。
あなたが今ここに生きているのはお母さん、お父さんのおかげなのだから。
そうみんなに伝えてくれた。

このスピーチを聞いた時、ちょうど1週間後に誕生日を迎える私は、
「自分の誕生日には、実家の母に『生んでくれてありがとう』って言うね」
と約束をしました。

普段なにげなく使っている「ありがとう」という言葉。
母にもいつも何かあるたびに伝えている言葉。

でも・・・

誕生日当日、母に電話をした私は、
すぐに言うことができなかった。

いつものように雑談をし、いつものように笑いあって、
でも、その言葉がなかなか出てこない。

話し尽くして「じゃあね。」と言った母に、

「あのね、生んでくれてありがとう」

ようやく言うことができた。


母は、
「うん、元気に生活するんだよ。
ゆきが元気だと私は元気でいられるんだから」
と、いつも電話の最後に言う言葉をいつものように言っていました。

母は、私の言葉を特別な言葉としては受け取らなかったのかもしれない。
でも私はすっごい勇気をもって言った。


言ったあとは、温かい気持ちに満たされた。

言ってよかった。


誕生日は、一生懸命自分を生んでくれた日。

○さん、教えてくれてありがとう。
特別な誕生日になりました。


お読みくださり、ありがとうございました。